『笑傲江湖之2:東方不敗』

 好きな女性のタイプは? と訊ねられたら「外見で言えば90年代前半あたりの林青霞(ブリジット・リン)」と即答する、そんな私ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか。
 美人でカッコよくて男装の麗人をやらせると宝塚以上にキマってしまう、そんなリン様の代表作のひとつ『スウォーズマン 女神伝説の章(原題 『笑傲江湖之2:東方不敗』)』のDVDが密林から届いたので鑑賞してみました。



 お話の方は中国のボンクラなら誰でも一度はハマるという国民的作家・金庸武侠小説笑傲江湖*1』の後半を下敷きにしています。
 原作の前半の方も同じくツイ・ハーク監督で映像化されています*2が、別に未見でも問題ありません。
 主人公の令狐沖(演じるはジェット・リー、当時はリー・リンチェイ名義)は凄腕の剣士ながらも争いに嫌気が指して仲間たちと共に引退しようとしている男。
 彼が想いを寄せる苗族のヤン・インインは「日月教」という宗教団体の教祖の娘で、令狐沖と仲間たちはこの日月教の跡目争いに巻き込まれてしまうというのが大まかなストーリー。
 教祖の甥に当たる妖人「東方不敗」を演じるのがリン様。
 世界を支配する力が記された武術書「葵花宝典」の教えに従い不男不女となった*3東方不敗が令狐沖に道ならぬ想いを寄せてしまうというメロドラマティックな展開と、ツイ・ハーク的古装武侠片(チャンバラ時代劇)としての超人アクションが無理なく両立するのも全てはリン様の美しさあってのこと。
 クライマックスの「刺繍しながら針と糸で戦うシーン」とか、凡百の女優がやればただのギャグシーンですよ!
 でもリン様がやると、ホラ何ていうか「大魔王バーンのメラはメラゾーマ並みに見える」的なスゴさで圧倒されてしまうわけです。
 ちなみに、「『東方不敗』ってGガンダムのあのオッサンでしょ」という人も多いと思いますがGガンの今川監督はこの映画に(小説の方ではない)インスパイアされて名前を採用したわけです。
 (作品名の「笑傲江湖」はウォルターガンダムの二つ名として採用されてますね)
 この映画で東方不敗のキャラクターが好評だったためか、後に原作とまるで関係の無いスピンオフ企画での続編『東方不敗 風雲再起』も製作されています。
 こっちもDVD出てますんでそのうち購入したらまたレビュー書きます。
 まぁその前に『楽園の瑕(東邪西毒)*4』のDVDが届くはずなんですがねハハハ!

*1:邦題は『秘曲・笑傲江湖』。

秘曲 笑傲江湖〈第6巻〉妖人東方不敗

秘曲 笑傲江湖〈第6巻〉妖人東方不敗

*2:

*3:ネタバレなんですが要するに自ら宦官になることが秘術習得の要件。 東方不敗(元は男)は原作では別に美女とかそういう描写はされていない。 原作者・金庸は映画で東方不敗が美女として描かれていることに不満だったという話も伝えられている。

*4:恋する惑星』『ブエノスアイレス』などで知られる王家衛ウォン・カーウァイ)監督が何をトチ狂ったのか金庸作品の登場人物たちの若き日の物語を映像化した怪作。 アクション監督はサモ・ハン・キンポー。 ブリジット・リン様も出演してます