兄弟デュオじゃない方の『カリュウド』について熱く語る

 以前も書きましたが、漫画のダウンロード販売サイト「コミックターミナル」で『カリュウド』(原作・日向葵 作画・望月あきら)が復刊中です。
 気がつくと4巻まで出ていたので、未読の2巻から4巻までを一気に購読してみました。
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 うーん、読みきり形式で毎回同じような話なんで、続けて読んだのはちょっと失敗だったかな。
 とはいうものの、面白い。
 インパクトでは二巻の冒頭を飾る第8話「血の臭いがする」がトップですね。
 怪人サメ男対「狩人」という超人バトルが繰り広げられる、シリーズ随一のアクション作。
 しかもサメ男の描写が…
 この作品のラストには「この漫画にはこんにちの人権意識からすると明らかに不適当と思われる描写を含んでおりますが〜」とかつけなくて大丈夫なのかと不安になるぜ。
 主人公の北十字良が毎回多様な殺人テクニックを見せる(orで魅せる)のが本作の特徴ですが、意表をついた殺人技としては三巻収録の第20話「女友達」でしょう。
 凶器はレコードで、まぁこれは『カリュウド』としては無難というかそんなに奇をてらったわけじゃないですが、問題なのはそのレコードが実在のものという点。
 「野口五郎の『女友達』(ポリドールレコード)のEP盤レコード」を殺人の凶器にした漫画は古今東西にこの作品だけですよ!
 これも今やったらアーティストや所属事務所、CD会社から絶対クレーム来ちゃうぜ。
 三巻収録の第17話「首つり回転木馬」で良が、真っ昼間の遊園地で悪党三人を処刑した後にガールフレンドの由美ちゃんとコーヒーカップに乗りながら「恨みをはらせず死んでいったものの恨みをはらす ……それがおれの宿命」とかモノローグを決めつつ終わるところとかもスゲェ印象的でしたね。
 由美ちゃんが良に超ラブラブで「今度は絶対に逃さないから」(ジェットコースターに乗る誘いを断って悪党を処刑してきた)とか「きゃあははは」とかはしゃいでいるのがなんとも・・・
 残すところは最終巻の5巻のみなんですが、結局ストーリーそのものにオチはつかないんだよね確か。
 以上、狭いニッチの漫画のお話でした。