アンジェリーク青龍変


 
 「もっと喰うか」
 ルヴァが訊いた。
 「喰う」
 アンジェリークが言った。
 「喰わせてくれ」
 アンジェリークの言葉に、ルヴァは、その口から笑い声を漏らした。
 く、
 く、
 く。
 はじめは低く、そして、だんだんと高く。
 く、
 く、
 く。
 か、
 か、
 か、
 か。
 笑いながら、ルヴァは、肉の刺さった串を、アンジェリークに渡した。
 唇に、微かな笑みを点したまま、アンジェリークが肉を噛む。
 「思ったとおりよ――」
 それを眺めながら、ルヴァが笑っている。
 「アンジェリーク……」
 低い声で、ルヴァはつぶやいた。
 「おめえ、おれが出会うた、一〇年にひとりの逸材よ――」


 やっと『キマイラ青龍変』を読了した俺が来ましたよ!(よくない光を眼に宿しつつ)
 『崑崙の王』の雑誌連載が完結したのが俺がリア厨の頃だから、もう20年近く前なんですねぇ。
 『青龍変』はより龍王院弘サイドに重点を置いて描かれる別ヴァージョン『崑崙の王』だと当初は構想されていたようですが、ネムキで連載が始まってみれば別物だった…!
 宇名月典善・ミーツ・龍王院弘!!
 面白かったのですが。
 超面白かったのですが。
 そこらへんの一山いくらのラノベどもなどよりはるかに面白かったのですが。
 しかし。
 さっさと龍王院弘対フリードリッヒ・ボック書いてくれないですかね。
 俺は脳内で10数年前からずっと、「桜吹雪の舞い散る中で戦うボックと弘。弘は『崑崙の王』での経験により鬼勁を桜の花びらの動きで見切ってボックに勝つ」というシーンを予想して待っている。
 そのシーンが収録される巻はきっとタイトルも『キマイラ龍王変』になると信じているわけですよ。
 俺は…
 俺はいつまでも待ち続けますよ!!

キマイラ青龍変

キマイラ青龍変