「Wonders in the Sky」読書メモ3

イントロダクション(続き)
・4つの主要な結論


この本の著者たちの以上のような研究を行ってきた。我々は宇宙人の飛行船や、人類以外の知性の影響についての「真実」は主張してこなかった。我々が主張してきたのは以下の4つの主要な知見である。


1.歴史を通して、驚異や天界の不思議として多様に記述されてきた未知の現象は、それを目撃した人間の感覚や想像力に大きな衝撃を与えてきた。


2.それぞれの時代ごとに、現象はその時代の概念で解釈され、しばしば特定の宗教的・政治的文脈の中で語られた。人々は空に見たモノに己の世界観や恐怖、幻想、そして希望を投影してきた。それは今日でも変わらない。


3.目撃事例の詳細が忘れ去られ、また変化に富んだ歴史という名の絨毯の下に覆われてしまったとしても、その衝撃は人類の文明を形作る上で重要な要素となっている。


4.今日に至るまで報告され続けている、現代科学では未解明の空中現象全般に対して、過去の目撃事例から得られる知見は有効な視座をもたらす。




 好むと好まざるとに関わらず、歴史や文化はしばしば例外的な「出来事(incidents)」によって決定されてしまう。奇妙な存在と異常な事件(event)にまつわる物語は常に我々を予測できない流行へと動かしてきた。我々の「世界観(vision of the world)」は、我々が親しんできた古からの神話と、それに取って代わりつつある新たなる神話との産物なのである。


 宗教学者ミルチャ・エリアーデは『神話と夢想と秘儀』で、この神話の重要性と古さについて以下のように述べている、



 『神話や民間伝承における「魔法の飛行」については何よりもまず、その古さと世界的な伝播に驚かされる。民間伝承の最も古いモチーフのひとつであり、世界中どこでも見受けられる、最も古い文化的階層である……たとえ「天空」の神々に対する宗教的信仰が無い地域でも天界への上昇というシンボリズムは存在し、常に超越的なこと(the transcendent)として表現される』


 現代においても、過去からの知見はしばしば忘れられてしまう。外宇宙からの来訪者の存在を教義の中心とする現代のカルトについての研究は、現代の人々はUFOの目撃報告があると、それが天空からやってきたものであるという結論にすぐさま飛びついてしまうことを教えてくれる。現在すなわち21世紀初頭でさえも、人類の神話が社会的・政治的リアリティを形成していく過程が引き続き行われていることを、我々は認めざるを得ない。我々はその過程の目撃者であり犠牲者なのだ。