フラットウッズ・モンスターに関する覚書



 twitterのほうでペンパルさんが紹介していた、"Mysterious Universe"なるオカルト系サイトのフラットウッズ・モンスターに関する記事"A Monster Hoax?"を翻訳ソフトを援用して訳してみた。


 翻訳ソフト援用の練習ということで、なんとか読める程度に文章を整えた程度の適当訳ですが、御寛恕のほどを。


 内容は、「3メートルの宇宙人」として有名な、1952年に目撃された「フラットウッズ・モンスター」、通称フラモンさんの意外な「正体」を解き明かす、というもの。


 フラモンさん事件の基本的な情報は こちら http://giga.world.coocan.jp/ufo/history/flatwoods.html
などでご確認ください。


翻訳した記事そのものは


http://mysteriousuniverse.org/2011/11/a-monster-hoax/


です。




---訳 ここから---



   怪物はでっち上げか?
   11月3日、UFO現象 ニック レッドファーン




 1952年のいわゆるフラットウッズ・モンスター、あるいはブラクストン郡のモンスターについて一度も聞いたことがない人は、UFO学と 未知動物学の領域ではほとんどあり得えないでしょう− ある研究者は間違いなく地球外生命体であると見なし、そしてまた他の研究者たちは超自然的な起源を持っているものと見なしている、奇怪な、巨大な獣。 けれども、ブラクストン郡の善良な住民たち全てを威嚇したこの邪悪な存在を説明する第3の可能性があるのです……


 今やパブリックドメインとなった、以前分類されたデータがフラットウッズで目撃されたものに対していくつかの点で直接的に、そして重要な関連を持つと思われます。 そのデータは、ジーン・M・ハンガーフォードが執筆した、米空軍最高機密扱いだった『心理戦を目的とした迷信の搾取』という題の1950年4月14日のRAND(訳注:アメリカのシンクタンクRAND研究所か)による出版物の中にあります。


 37ページからなる文書は本当に魅力的なもので、そしていくつかの非常に奇妙な領域を探求しています。 けれども、本当に私の目を引きつけたものは『マジック:トップ・シークレット』という題の本から引用された一節でした。 その本は、第二次世界大戦時に、新しく、誰も見たことのない、かつ奇妙な方法でアドルフ・ヒットラーの軍勢をだます方法を考案することに奔走したジャスパー・マスケリン(訳注:Jasper Maskelyne、1902-1973。イギリスの奇術師で、後述の通り二次大戦時に英軍情報局に協力し、大規模な欺瞞・偽装・計略を行ったことで知られるが、その自伝の信頼性を疑問視する向きもある)という奇妙な名を持つ風変わりな人物によって、1949年に書かれました。


 ハンガーフォードは彼女のレポートの中で、ナチとの戦争時に始められた、既存の物とはまるで異なる心理戦作戦にマスケリンが以下のように関係していたことを引用しています:


 「我々の兵…は、イタリアの山中で面白い性質の錯覚を使うことができた。特に、わが軍が前方へ進軍するときのために偵察を行う先発パトロール隊として小集団で活動する際には。 ある地域では、特に、彼らは巨大なかかし、とでも言うべき装置を用いた。これは高さおよそ12フィート、自重の力により前方へよろめいて、さらには恐ろしい閃光と破裂音を発することが可能であった。 このかかしは、夜明けの路上を、体から電気の青い閃光を放ちながら、ドシンドシンとのし歩き、イタリアのシシリアの幾つかの村を恐怖に陥れた; そして、多くは文盲の小作農であった住民は、侵攻してきているイギリス軍の先頭に悪魔が行進していたと言い立てて、さっさと隣の村へと逃げ出した。」


 ハンガーフォードはRANDによる彼女のレポートの中で、続けてマスケリンの本からこう引用しています:


 「無知な人々の間で(そして、疑いなく、我々のスパイの手助けにより)広められた多くの物語と同様に、この悪魔の物語はほとんど想像ができないくらい広範に流布した。 我々の前進するルート上にある村々は後退しているドイツ軍への手助けを不機嫌に拒み始め、さらにはドイツ軍に対して妨害活動を行うまでになった; そしてその後、哀れな村人たちはイギリス軍の兵隊が食料と、村人のドイツ軍への妨害活動への賛辞とを携えて到着するのを待つ代わりに、退却しようと苦闘するドイツ軍の機械化車両で混雑する道を逃げ去って行ってしまった。 ドイツ軍の戦車兵たちが時折難民たちを押し分けて行くと、より一層この激情は増大し、それが間接的なものだとしても、強力な武器を携えたイギリス軍がドイツ軍を手ひどくやっつけてしまう重要な数週間の、ほとんど冗談のような始まりがすぐそこだと思われるようになった」


 ここには注目すべき価値のある多くの問題点があります。 最初に、フラットウッズ・モンスターの背丈とイギリス陸軍の極悪非道なかかしの寸法は同じであること:12フィート。 加えるに、この問題についてのフランク ・フェチーノ(訳注:Frank Feschino、UFO研究家。フラットウッズ・モンスターについて20年以上にわたり研究している)の厚い著作(この事件の基礎資料として有用です)− 『ブラクストン郡のモンスター(The Braxton County Monster)』 − の表紙ではフラットウッズ・モンスターは強力な光を放っているように描かれています。 外見の類似点として、イタリアの高さ12フィートのかかしは「恐ろしい閃光と破裂音」を発して、そして「その体から立ちのぼる青い電光」がありました。


 それから、イタリアの農民たちの逃避行に関するRANDの報告書の言及(その出典はジャスパー・マスケリンの著書『マジック:トップ・シークレット』の記述)が、アメリカ空軍の心理戦立案者たちのために作製されたものだという事実があります。 そして、フェチーノはフラットウッズの獣についての彼の本の中で、 空軍がフラットウッズ事件とメディアによって報じられたこの事件の内容について注意深く興味を示したことを指摘しています。


 RANDの報告書は1950年4月に空軍に提出され、そしてフラットウッズ事件は1952年9月に起こりました。 そんなことが起ころうとは思いもしない人々に対して、アメリカ空軍の心理戦立案者たちが、二年間の歳月を費やし、イギリス陸軍が用いた身長12フィートの閃光を放つ怪物の最新にして改造型のアメリカ製バージョンを解き放ったら、どのような反応をするかについての調査を企画し、また実行を決定した、というようなことがあり得るのでしょうか?


 他にも同じく類似した環境があります:イギリス陸軍の作戦はイタリアの小さく、孤立した村を目標に実行されました。 そしてフラットウッズもまた、2000年の終盤になってさえ、人口わずか350人未満という、ウェストヴァージニア州ラクストン郡の小さな田舎町なのです。


フラットウッズ・モンスターを何らかの形の 未知動物学的な意味での生物、 またはフォーティアン・エンティティー(訳注:仮に訳せ ば「奇現象的存在」)、あるいはエイリアン、などであったと思う人たちはこのような憶測と熟考をあざ笑うことでしょう。 しかしながら、イギリス陸軍が第二次世界大戦で心理戦を目的として高さ12フィートの、光を放つ、かかしのような装置を使っていた事を指摘するとき、USAF(アメリカ空軍)が、1952年に極めて類似したことを、アメリカ製の身長12フィートの奇怪な怪物を使って行ったかもしれないと考えるのは、本当に拡大解釈にすぎないのでしょうか?



---訳 ここまで---



 ジャック・ヴァレ先生的な「軍による心理戦実験だったんだよ!!」展開、なかなかに面白いですね。
 突っ込みどころとしては、言及されているマスケリンの自伝『マジック:トップ・シークレット』の内容は信頼性が高くないらしい、というところがあります。


 "戦時中のマスケリンの手柄は架空のものが多く、とくにゴーストライターによって書かれた『Magic: Top Secret』からの影響が大きい"  ―wikipedia「ジャスパー・マスケリン」の項より

 
 とはいえ、フラモン事件を米空軍による心理戦実験と見る観点そのものは興味深いです。


 マスケリンの自伝の内容がフェイクだったとしても、それを「事実」として扱ったRANDの報告書が米空軍心理戦立案者たちへ提出された、というところは事実のようですから、「嘘から出た真」で米空軍がカカシ作っちゃってフラットウッズに投入してたりしたら、歴史というやつは本当に面白いということになるのですが……