『光の王』復刊決定!

 なんとはなしに復刊ドットコムを眺めていたらトップページに良く見知った言葉の羅列が…
 復刊ニュース
 (中略)
 2005/04/11 復刊!ロジャー・ゼラズニイ著、深町眞理子訳 『光の王』
 …
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 ………
 な、なんだってー!!
 詳細ページを見てみると4月下旬に早川から文庫判が復刊されるらしい。
 神保町の羊頭書房で千円で買ったハードカヴァー判しか持ってない私としては無論マストバイの構えで!
 たしか文庫判はカヴァーが萩尾望都なんじゃよねー、そのまま復刊されるんじゃろかー(ワクワクテカテカ)。
 内容についてはこないだのアンジェ日記で少し紹介しましたが、SFとインド神話が合体してさらにゼラズニイ超人テイストを詰め込んだステキ小説です。
 登場する神々(と自称する超能力者)のノリとかはある意味「スタンド使い」みたいなもんで、背後に「ゴゴゴゴゴゴゴ」とかの荒木擬音を背負って奇妙なポージング(所謂「ジョジョ立ち」)してると私の脳内では変換されてます。
 神々と戦うために主人公の仏陀ことサムが、かつて自分が先頭に立って封印した原住生物「羅刹」たちを開放を条件に味方につけようとすると追っ手の刺客として火の神アグニが差し向けられるのですが、このシーンとかもうまさに「新手のスタンド使いが!!」って感じです。


 「見たか、彼の姿勢を?」とシッダルタは言った。 「かれは自分の力に自信を持っているし、それは正当な自信なんだ。 <護世神(ロカパーラ)>のひとり、アグニなんだからな。 かれの目は、遠い地平線を、まるでそれが指先にでもあるように、どこまでも見とおすことができる。 しかもそこまで力を届かすこともできるんだ。 なんでも、ある夜のこと、あの杖をふるって、空の月を三つとも焼き焦がしたといううわささえある。 かれがあの杖の根もとの部分を、手袋のなかにある接点にほんのちょっと触れただけで、<宇宙の火>が目もくらむばかりの光輝をともなってとびだし、その進路にあるあらゆる物質を抹殺し、エネルギーを消散させるんだ。」
-ハードカヴァー判P153より


 ブラスター系超人・アグニ、まじかっこいいな!
 ゼラズニイが当時受けた批判の代表的なものとして「まるでヒーローもののコミック・ブックみたいじゃないか、SFじゃねーぜ」ってのがあるんですがむしろ今考えるとそれは褒め言葉というかなんというか、超人バトルノベルなんですよSFである前に(それ以前にそもそもゼラズニイにしか書けない、『ゼラズニイ的カッコいい小説』なんだろうけど)。
 SF読みの方、超人好きなCoHプレイヤーの方、アメコミスキーの方などには強くオススメしておきます(篤実なヒンドゥー神話ファンは怒るかもしれないが)。